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漢方健康堂ブログ  Vol.1  ”かぜ” について

*大変お待たせしました漢方健康堂のブログを再開します。今回からⅠ.やさしい漢方の解説、Ⅱ.毎回のテーマ の形ですすめてゆこうと考えていますおのでお付き合いください。

お知らせ 第1回ミーティング5月16日火曜日14:00~16:00の予定でミーティングを開きたいとおもいます。漢方薬の基礎知識、漢方相談、ツボ押し講座 等イベントを用意していますのでお気軽にご参加ください。

Ⅰ.やさしい漢方の解説

西洋医学と東洋医学(中医学)の違い 西洋医学は欧米において古代から現代まで発達してきた医学で自然科学と融合し19世紀後半から発展した現代医学を示すことが多い。東洋医学は主に中国起源で漢方薬、鍼灸、現代中国医学である中医学や、更に食膳、気功などを含む。日本では奈良時代頃に伝来した中国医学を日本に合った体系に発展させたものをいいます。

中国における有史以前の医術は、他の文化圏と同じように本能的医術であったと思われます。それは「傷口を舐める」「痛いところを撫でる、さする」は「薬になる食物を摂取する」などで、、その後部族社会が形成されると呪術的な医療が行われるようになります。春秋・戦国時代になっても、祭祀、祈祷、祝言などによって病因を取り除こうとする療法が行われてきました。中国の医術が他と違っていたのは、痛むところに石を用いて治療したことです。これが後になって「気の思想」を背景として「経絡」を発見し「経絡説」を発明し、鍼治療に発展します。

原始的な「痛いところを撫でる・さする」は「導引・按摩」に、「薬になる食物を摂取する」は「湯液療法」に発展。「気の思想」とは、宇宙の生成から生命現象んみいたるまで、「気」を根本において、理解・解釈しようとするものです。このような原始的療法が中国古典医学を形成していったのです。

鍼灸の起源は石器時代の石による経脈、殷時代の骨針などにその源流を探ることができます。湯液は伝説上の人物である神農が草根木皮を舐めてその性質を明らかにしたといわれています。神農伝説は湯液系医療の成り立ちが多くの医療体験が基になっていることをうかがえます。気功や導引は気の思想が発展し、気を練磨する方法として確立したものと考えられます。全身治療等、とくに現代の病因の検査では出ない不調(半健康や未病)を扱うことが東洋医学の特徴の一つで西洋医学とは一味違ったからだの状態を調べる方法(望診、脈診、舌診、腹診 等)っと特殊な診断基準(気、血、水、陰陽五行、経絡・経穴 等)を用いて「証」という概念で診断し、からだと精神状態、西洋医学で言う自律神経を診ているといわれています。

Ⅱ.漢方薬処方

今回のテーマ「風邪」

風邪の多くはウイルス感染によっておきるものです。 実証虚証 に分類して、中医学的な病因、症状、治療、漢方処方を解説します    

<実証>

1)風寒犯肺(ふうかんはんぱい)

寒邪により肺気の障害が起こり寒邪が肺に貯留した病態。表寒実証に相当する。津液が淀むことで鼻ずまりや鼻汁、痰がからむ症状がでる。かぜ、肺炎の初期、気管支炎、アレルギー性鼻炎などでみられる。

[原因]寒邪が肺を侵襲し、肺の宣発・粛降作用の失調を来して鼻水・咳となる。

[症状]咳嗽(風寒によって肺の宣発粛降機能が失調)、喀痰(津液の停留により痰形成)、鼻水、くしゃみ、(肺気の宣発作用により鼻竅の通気が障害)、悪寒、発熱、頭痛、無汁(風寒の邪が肌表を襲い、表証が現われる)、薄白、浮脈。

[治療]宣肺散寒

[処方]小青竜湯(半夏、甘草、桂皮、五味子、細辛、芍薬、痲黄、乾姜)

   痲黄湯(痲黄、杏仁、桂枝、甘草)

(2)風熱侵肺

風熱証は、風邪と榔がおもに呼吸を通して鼻や咽から侵入し、気管支などに影響を及ぼす。風熱邪が

気鬱津傷を引き起こして、気鬱の症状のほかに、津傷(体溌消耗)を起こす。「肺は表を主る」ので表証をもたらす気鬱、津凝、気鬱津傷が起こる原因は、肺の機能低下による。

[原因]風熱邪が肺を侵し、その機能低下を起こしたもので咳嗽を伴い、表熱(表熱実)証に相当する。

[症状]咳、黄色の痍、鼻づまり、発熱、頭痛、咽頭の腫れ、口渇、舌尖は紅色、脈は浮脈。

[治療】辛涼解表、清熱解毒

[処方]銀翹散(金銀花、達翹、淡豆戟、淡竹兼、羚羊角、牛蒡子、薄荷、荊芥、桔梗、生甘草)

天津感冒片(銀翹散の芦根を羚羊角に変えたもの)麻杏甘石湯(石膏、麻黄、杏仁、甘草)

(3)痰湿阻肺(たんしつそはい)痰濁阻肺(たんだくそはい)

外感病を繰り返して、痍飲・疾湿により肺気の阻害を起こし、疾飲が肺に貯留した病態で裏実証である。梅床では,慢性気管支炎・囁息などで見られる.

[原因]風寒犯肺証などのかぜの中後期で肺の通萌水道が失調により、疾湿(水湿・痍飲)が生成して肺気を阻害し、痍飲は肺に貯留する。

[症状]咳、多量のうすい白色疾、喉でゴロゴロと痰の音がする(痍が気道を塞ぐ)、胸が苦しい(胸悶)痍が肺終に阻滞)、呼吸困難,喘息(痍湿が肺に阻滞して肺の宣降機能を失調)。舌は淡、

 舌苔は白膩、脈は弦数脈駄、脈は弦数脈

[治療]煉湿化痍、化痍粛肺(かたんしゆくはい)

[処方】二陳湯(半夏、陳皮、生妻、襟帯、甘草)半夏厚朴蕩(気滞証)(半玉t厚朴、生妻.諜苓.

   紫#糞)

(4)熱邪犯肺(風熱犯肺)→ 風熱壅肺の一種

[原因]熱邪が肺を侵♯し、榔が肺に貯留した病態で、実熟(蓑実熱)証に相当する。臨床ではインフルエンザ、咽喉炎、届桃腺炎、肺炎、気管支炎などで見られる。

[症状]発熱(風熱が肌表を犯し、衛気が邪気と抗争して発熱)、悪寒、咽喉疇、咳(肺の粛降機能低下)、息があらい、黄色で粘琳な痍、口渦、呼吸困兼、尿が漉い、便秘。舌は紅、舌苔は黄色、脈は浮数脈

[治療]清熱量肺、止咳平噂

[処方]麻香甘石蕗(麻貴、杏仁、生甘草、石書) 葦茎蕩(いけいとう)★(蒼諜仁、瓜子、桃仁

芋茎

<虚証>

1)肺気虚:肺の気の不足状態。臨床でほ、慢性気管支炎、喘息などで見られる。

[原因]慢性喘息・慢性の咳、他の牌腑の慢性病などにより、肺の陽気が消耗されて現れる証侯で

 ある。

[症状]息切れ、咳(肺気虚より宗気の呼吸を推動する力が無力)、喀疾(肺気虚より水練代謝が

 失調)自汗(汗をかきやすい)肺気虚より体表の衛気が不足して汗腺がゆるんで汗がでる)、

 寒がり(肺気虚より温酪機能が失調)、かぜを引きやすい、疲れやすい、呼吸が弱い。舌は淡、

 脈は弱脈。

[治療]補益肺気  

[処方〕補中益気湯(気陥証)(人参、白粥、貴書、爽甘草、大束、生善、当帰、柴胡、陳皮、

 升麻)六君子湯(人参、自札狭苓,爽甘草、大束、生姜、半夏、陳皮)+玉屏風散(ぎょくへい

 ふうさん)(貴書、自碑、防風)

(2)肺陰虚

肺の陰液の不足状態。臨床では、慢性気管支炎、喘息、肺炎などで見られる。[原因]長い病気や慢性疲労など慢性病による栄養障害、炎症による津液の消耗、外感熱性病の後期など

により、津液不足を来たして煉証と虚熱の症状が現れる。

[症状]乾咳(肺陰虚による肺の粛降機能失調)、少量の粘痍、痍に血が混じる(肺陰虚により虚熱が血脈を損傷)、口や咽喉が乾換(肺陰不足による咽頭が滋養されない)、寝汗、午後に熱感や微熱(潮熱)。

[治療]滋陰潤肺、清熱化痍

[処方]表門冬湯(津液不足鉦)(麦門冬、党参、半夏、炙甘草、硬米、大束)

今回は風邪をテーマに中医学の虚実で分類して症状別の漢方薬処方解説しました。質問ご相談はメールまたはお電話でお待ちしております。 


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